こんにちは!ひ~ちゃんママです。
「渦巻きと火焔の縄文土器ーあさひの縄文時代展ー」が、2019年 10月12日(土)~12月8日(日)、富山県朝日町「まいぶんKAN」で開催されています。
私も、「まいぶんKAN」で、火焔型の縄文土器の展示を見てきました。
実際の土器は、思った以上に大きく、その文様の素晴らしさに驚きました。
さらに、朝日町教育委員会の久保学芸員さんから、縄文土器や、縄文時代の人々の暮らしの様子などについて興味深い話を聞くことが出来ました。
今回は、「『渦巻きと火焔の縄文土器』特別展 | 火焔型土器をまいぶんKANで見てきた!」というテーマで、見てきたことや聞いてきたことを紹介します。
特別展に展示されていた縄文土器
富山県、新潟県には多くの縄文土器が発掘されています。
縄文土器の特徴の代表的なものが、渦巻きの文様です。
教科書の写真ではよく見ていましたが、実際に土器を間近で見ると、その頃の人々の暮らしや思いを感じることが出来ます。
今回展示されている縄文土器は、時代で言うと、縄文中期の土器だそうです。
縄文中期の土器が出現するのは、富山県では魚津市が西限です。
その中でも、朝日町には多くの遺跡があり、土器も見つかっています。
火焔型土器の本場は、やっぱり新潟県!
今回の特別展示では、新潟県津南町の2つの遺跡【諏訪町遺跡】【道尻手遺跡:どうじって遺跡】の火焔型土器が展示されています。
これは、諏訪町遺跡の火焔型土器です。
大変形も文様も美しいですよね。
渦巻き文様が非常に立体的で、迫力があります。
こちらは、新潟県糸魚川市長者ケ原遺跡の土器:深鉢です。
糸魚川市は、新潟県の西部の端にある市ですので、富山県には非常に近い土地といえます。
この深鉢の大きな渦巻きは、諏訪町遺跡の火焔型土器の文様とよく似ています。
地形的には、結構離れた場所ですが文様が似ていることから、何らかの交流がきっとあったのでしょうね。
糸魚川市は、何と言っても『ヒスイ』の生産地ですから、『ヒスイ』などを通しての交流があったのかもしれませんね。
その他にも、この特別展では多くの縄文土器が展示されています。
縄文時代ファンにはたまりませんよ。
縄文土器を作っていたのは女性?
久保さんのお話では、縄文土器を作っていたのは女性ではないかということでした。
この説にはちょっとびっくり!
専門的な土器作り職人がその頃いたのではないかと私は思っていましたが、最近は女性が土器作りをしていたという説が有力なようです。
縄文の女性も、働き者だったのですね。
下山新地内から出てきた土偶
これは、土偶の一部だそうです。
学芸員の久保さんのお話をかいつまんで紹介すると、次のようなお話でした。
この土偶は、頭部と足が欠けています。腹の部分の真ん中には十字の模様があり、これは妊娠線を表しています。女性にとって子どもを出産するということは、当時命がけだったと思われます。その当時の女性の平均寿命は16歳ぐらいだと推定されていて、出産と共に亡くなる女性が多かったのではないかと考えられています。そんな風に女性が若くして亡くなるにもかかわらず、これらの地で何千年もの間、社会生活が継続されていた背景には、きっと出産経験のある女性を何らかの形で、違う土地から手に入れていた可能性があります。例えば、出産経験のある女性を、非常に高価な『ヒスイ』と交換するなど・・・。と考えると、他の地との交流や交易があり、自然に文化の交流が出来ていたのではないかと思われます。
非常に興味深いお話です。
それほど、縄文時代の社会にとっては女性の存在は重要だったと言えます。
縄文時代の暮らし
縄文時代のムラのイメージ
今回の特別展では、縄文時代の暮らしにもフォーカスしています。
この絵は、【5,000年前の 初夏の不動堂ムラのようす ー復元画で表した縄文の世界観ー】(安芸早穂子作)です。
この絵の説明を抜粋してみました。
この復元画が表現しているのは、今から5,000年前のあさひまち不動堂のムラの様子です。
季節は初夏。集落を取り囲むように、周囲にはこんもりと丸い樹形のクリ林が広がり、ちょうど今が花盛りです。・・・・中略・・・・ クリ林の中で、焚き火をしていたと考えられます。クリはあく抜きをしなくても食べられ、木材も利用できます。・・・・中略・・・・不動堂のムラの中には低い高低差があったようです。大型住居の周囲が少し高く表現されていまが、現地もそうなっていますので是非訪れてみて下さい。
移籍の背後には、今もむかしも変わらず朝日岳や棚山の生な身が広がっています。
この説明から分かるように、その当時クリが貴重な食料だったのですね。
ムラの中では、みんなで協力して暮らしていたのでしょうね。
縄文時代のフィギアの展示
今回の特別展では、2点のフィギアも展示されています。
これは、可愛い少女のフィギア【少女の祈り】です。
この少女が頭の上に載せたカゴには、ドングリやクリやクルミなどが入っていたのでしょう。
腰にぶら下げているのは、ポシェットです。
青森の三内丸山遺跡では、こんなポシェットが出土しています。
不動堂の遺跡でも、土器の底に敷いていた編み物の痕跡が残っているそうです。
縄文時代の女性は、編み物のしていたようですね。
こちらは、【朗らかなムラ長】のフィギアです。
このフィギアの説明では、集落の中の身分階層のことや、装飾品ヒスイとの関係について書かれています。
ムラという一つの小さな社会を運営していくムラ長にとっては、きっと食料の蓄えや、人と人との関係を作ることなど、今と余り変わらないことで悩んだり喜んだりしていたことでしょう。
そんなことを考えながら、この特別展示を鑑賞すると楽しいですよ。
特別展示の期間や開館時間、アクセスなどについては、次のページをご覧下さい。
「渦巻きと火焔の縄文土器ーあさひの縄文時代展ー」に付いては、こちらから!!
まとめ
今回は、2019年 10月12日(土)~12月8日(日)、富山県朝日町「まいぶんKAN」で開催されている「渦巻きと火焔の縄文土器ーあさひの縄文時代展ー」に行ってきたことを纏めてみました。
縄文土器の中でも火焔型土器は、形も文様も美しく、ぜひ実物を見てきていただきたいです。
新潟県が、本場だと言うことですが、富山県の朝日町でも出土しています。
今回の特別展では、縄文時代の暮らしも感じることが出来ます。
ぜひ、この特別展をご覧になってくださいね。