「学校へ行きたくない」と言われると親は困ってしまいますよね。
小学生の場合は、特に子供自身がその原因をはっきりと認識できない場合も多く、親としてどう接したらよいのか全く途方に暮れることが多いでしょう。
今回は、小学生の不登校の原因や今できる対処法について私の教員生活38年の経験からのべていきたいと思います。
悩んでいる保護者の方は、参考になさってください。
不登校の小学生が増加する現状とその背景
不登校の小学生は年々増加していると言われています。
まずはその実情に、せまってみましょう。
令和の小学校不登校 現状データと割合
令和5年度の文部科学省の調査によると、小学校における不登校児童の数は約34万6,000人に達し、これは過去最多となっています。
小・中学校全体で見ると、在籍児童生徒の約3.7%が不登校という割合です。
日本経済新聞2024年10月31日の記事によるとさらに以下のような詳しい情報がわかります。
文部科学省の「問題行動・不登校調査」では、病気や経済的理由などを除き、年間30日以上登校していない状態を不登校と定義している。
不登校の増加は11年連続で、30万人を超えるのは初めて。全児童生徒に占める割合は前年度から0.5ポイント増の3.7%だった。
小学生は13万370人(前年度比24%増)で、中学生(21万6112人、同11%増)より増加が目立った。年間の欠席日数が90日以上の児童生徒は不登校全体の55%を占める19万392人だった。
大幅な増加の背景にはコロナ禍の影響があると考えられる。23年度はコロナ禍前の19年度(18万1272人)の1.9倍に増加。文科省担当者によると、行動制限がかかるなどして生活リズムが乱れた影響が続いている可能性があるという。
立命館大の春日井敏之名誉教授(臨床教育学)は「成長期にコミュニケーションの基礎を作りにくい環境が数年続いたことの余波は大きく、学校に多様な居場所がないと今後も増加傾向が続くだろう」とみる。
コロナ禍による生活の変化が、児童生徒の心理的なストレスにも大きく影響していることも不登校増加に拍車をかけているようです。
今後も増加傾向にあるようなので、「うちの子に限って・・・」という考えはあまり当てはまらないとも言えるでしょう。
不登校は、誰にでも起こりうる現象なのです。
不登校小学生に多い年齢・学年・タイプや傾向
不登校の小学生は、どの年齢が多いとは一概にいえません。
しかし、小学生の不登校には学年ごとの特徴や傾向があり、それぞれの発達段階に応じた背景が見られます。
以下に、年齢・学年別の傾向とタイプをまとめてみました。
1.小学生の不登校各学年の傾向
🔹 低学年(1〜2年生)の傾向
- 主なタイプ:母子分離不安型、身体症状訴え型(頭痛・腹痛など)
- 特徴:
- 学校という新しい環境への適応が難しい
- 母親と離れることへの強い不安(分離不安)
- 「行きたくない」とは言わず、体調不良を訴えることが多い
- 背景:
- 保育園・幼稚園とのギャップ
- 家庭での安心感が強く、外の世界に不安を感じやすい
低学年の不登校は、入学してしばらくたってから起きる場合が多いです。
幼稚園や保育園とのギャップという環境の変化が子供の心に与えるストレスになっている場合が多いようです。
中には、保育園や幼稚園の頃の友達と別れ、新しい人間関係を作らなければいけない場合もあります。
小学校という環境に慣れることは子供にとって大きな壁といえるでしょう。
🔹 中学年(3〜4年生)の傾向
- 主なタイプ:自己肯定感低下型、友人関係ストレス型
- 特徴:
- 学力差や運動能力の差が顕著になり、劣等感を抱きやすい
- 友人関係のトラブル(仲間外れ、からかいなど)が増える
- 背景:
- 「自分はできない」と感じる経験が増える
- SNSやゲームなどの影響で生活リズムが乱れやすい
中学年は学校にも慣れなぜ不登校になるのか分からないという親や教師が多いです。
しかし、このころの子供は実は10歳の壁といわれるように、心の中での成長が非常に大きな時期といえます。
10歳の壁は、子供が自分を俯瞰してみることができるようになる時期です。
それまでは、なんとなく自分と友達との関係を肌で感じていたとしても、それほど大きな問題としてとらえてはいなかった時期から、自分と友達との能力の差に気づき始め、劣等感を持ちやすくなります。
できない自分に腹立たしくなることも多いでしょう。
また、学習面でも具体から抽象の考え方に移る時期になります。
例えば算数でも、低学年の場合は100までの数など生活の中で体験できる数を扱いますが、中学年になると1億、概数、四捨五入など生活の中で実際には体験しにくい数や操作に接するようになります。
このような抽象的な概念をイメージしにくくなる時期であり、学習内容が難しく思える時期にもなります。
友人関係でも、スポーツ少年団や他の活動に接することも多く、その中で能力や容姿でからかいや仲間はずれが多くなる時期にもなります。
このような複雑な背景が、中学年の不登校の原因にもなると言えます。
🔹 高学年(5〜6年生)の傾向
- 主なタイプ:無気力・抑うつ型、自己否定型、HSP傾向型
- 特徴:
- 思春期の入り口で心が不安定になりやすい
- 「学校に行く意味がわからない」と感じる
- 自分の存在意義や将来への不安を抱える
- 背景:
- 進学や受験へのプレッシャー
- 教師や親との関係性の変化
- 自己理解が進む一方で、他者との比較に苦しむ
高学年になると、体の成長も著しくなり心も体も大人に近づいてきます。
思春期の入り口に入る子供が多く、自分自身の進路や生き方にも漠然と不安を抱く子供が多くなります
また、中学受験をする子供たちも最近では増え始め、受験に対するストレスを感じる子供も多くなります。
さらに、反抗期が激しい子供もいます。
子供の中には、親だけでなく教師への反発を感じる子供もいます。
これらの要因が、学校へ行きたくないという不登校の原因になると考えられます。
さらに、うつ状態になる場合もあるので、十分に子供の様子を見ていく必要がある時期といえるでしょう。
2.小学校の不登校児童の共通傾向
小学生の不登校児童の共通傾向についてまとめてみました。
- 「無気力・不安」が最多の理由(全体の約50%以上)
- 男子児童の方がやや多い傾向
- HSP(繊細気質)や発達特性を持つ子どもが不登校になりやすいという報告もあります
また、年齢が上がるにつれて、「行きたくない理由」が明確になる傾向があります。
低学年では「なんとなく嫌」、高学年では「人間関係がつらい」「勉強が苦しい」など、より具体的な悩みが見えてきます。
初期のサインは?保護者が気づくべき変化や段階
不登校は突然始まるように見えて、実は小さなサインが少しずつ現れることが多いんです。
ここでは、保護者が気づきやすい「初期サイン」と、不登校の進行に見られる7つの段階を具体的にご紹介します。
1. 不登校の初期サイン(予兆)
不登校の初期サインとしては、以下の3つがあげられます。
- 生活面の変化
- 学校に関する変化
- 心理・感情面の変化
それぞれのサインについてもう少し具体的な様子を解説していきます。
1.生活面の変化
- 朝なかなか起きられず「あと5分…」が増える
- 夜更かしや昼夜逆転が始まる
- 朝になると「お腹が痛い」「頭が痛い」と訴える
2.学校に関する変化
- 「学校行きたくない」とは言わないが、準備が遅くなる
- 宿題やテストに強い不安を示す
- 「先生が怖い」「友達と話したくない」といった発言
3.心理・感情面の変化
- イライラしやすくなる、些細なことで泣く
- 好きだったことへの興味が薄れる
- 家族との会話が減る、目を合わせなくなる
それぞれのサインを早めにキャッチできれば対応も早く、深刻な状況になるのを防ぐことができると言えます。
2.不登校の7つの段階
不登校には大きく7つの段階があると言われています。
それぞれの段階は、子供一人一人によって状況や期間が異なりますが、この7つの段階を通って不登校を乗り越えて、自立できるようになります。
- 予兆期:「朝起きれない」「頭が痛いと訴える」など小さな変化が現れる
- 開始期:「学校に行きたくない」と言い始める、体調不良が頻発
- 完全不登校期:登校しなくなり、自己否定感が強まる
- 定着期:不登校が日常化し、生活リズムが固定化
- 活動再発期:外出や趣味への関心が戻り始める
- リハビリ期:少しずつ社会との接点を持ち始める
- 社会復帰期:登校や社会活動が安定してくる
保護者ができること
不登校を解消したいというのは親の切なる願いです。
でも、何をすればよいか分からないというのが本音ですよね。
保護者ができる基本的なことは以下の3つです。
- 「怠けている」と決めつけず、小さな変化に寄り添う姿勢を大切に
- 「どうして?」と詰めるより、「つらかったね」と共感の言葉を
- 子どもが話したくなるタイミングを焦らず待つ
こんなことでいいの?と思われるかもしれませんが、子供を前にすると問い詰めたり、叱責することが多く、寄り添うという姿勢は意外に難しいものです。
まずは、子供の心の声を聴くようにしてあげることが重要です。
一番辛いのは子供自身なのですから。
小学生不登校の主な原因と要因を徹底解説
不登校は、どの年代にも起こりうる問題です。
しかし、年代ごとに原因や要因は異なります。
小学生は年齢的にもまだまだ幼く、自分自身なぜ学校へ行きたくないのか気持ちを言葉で表すことができにくい時期でもあります。
まずは、小学生の不登校の原因や要因についてもう少し詳しく解説していきます。
人間関係・いじめ・担任との関係で生じる悩み
小学生の不登校の原因の一つとして挙げられるのが、人間関係による心のストレスです。
友人との関係や教師との関係がうまくいかず、学校に居場所がないと感じると学校へ行くことができなくなる場合が多いです。
1. 子供同士の人間関係が起因する不登校
- いじめや仲間外れ
- いじめは精神的・身体的なストレスとなり、学校に行くこと自体が恐怖になります。
- 無視されたり、遊びの輪に入れてもらえないと「自分は受け入れられていない」と感じ、不登校へつながることがあります。
- 友人関係の不安定さ
- 小学生は交友関係がまだ未熟で、友達とけんかしたり、気持ちをうまく伝えられずに孤立感を抱くことがあります。
- 一度のトラブルがきっかけで「また仲良くできるかわからない」という不安が強まり、登校をためらうようになります。
- 集団行動への苦手意識
- 決められたルールの中で協調するのが難しいと感じる子は、集団生活に強いストレスを感じ、不登校になるケースがあります。
2.教師との人間関係に起因する不登校
- 教師の指導スタイルが合わない
- 強い叱責や威圧的な態度が続くと、子どもは「先生が怖い」「見捨てられている」と感じます。
- 一方で過干渉や過保護も「自分を信じてもらえない」と思わせてしまうことも。
- 理解・共感の不足
- 子どもが困っているサインに気づいてもらえず、相談できる相手がいないと孤立感が深まります。
- 特にHSP傾向のある子どもは感受性が強く、細かい言動に深く傷ついてしまうこともあります。
- 不公平感やえこひいき
- 特定の子どもばかりを褒めたり目をかけると、他の子が「自分は評価されていない」と感じる原因になります。
人間関係がうまくいかないことで、子どもは「学校=居場所でない」と捉えてしまうようになります。
だからこそ、大人の目線ではなく、子ども自身の声を丁寧に拾い上げる姿勢が大切ですね。
子ども本人の特性|発達障害や性格、自己肯定感との関係
子供本人の特性、発達障害や性格によることが起因となる不登校も多いです。
特に最近は発達障害が起因となることが事例としてもよくあげられています。
1.発達特性に起因する不登校の要因
- 発達障害(ASD・ADHD・LDなど)
- 感覚過敏(音や光、触感など)により教室環境が苦痛になる
- 集団でのコミュニケーションが難しく、トラブルが起こりやすい
- 課題への集中や切り替えが苦手で、学業への自信を失う
- グレーゾーンの子ども
- 医学的な診断に至らないが、特性上周囲となじめず「なんとなく居づらい」と感じやすい
- 周囲が気づきにくく、適切なサポートを得られないまま不登校に
発達障害は、環境を整えてあげることで問題を解消できます。
まずは、発達障害が疑われる場合は、お子さんの特徴を明確にしてあげることが重要です。
2. 性格傾向に起因する不登校の要因
- 繊細で敏感な性格(HSP傾向)
- 他人の表情や言葉に過剰に反応してしまう
- 緊張や不安を感じやすく、些細なことでも心が疲弊してしまう
- 完璧主義・失敗への強い恐れ
- ミスを過度に恐れ、失敗するくらいなら行かないほうがいいと感じる
- 授業中に指される、テストで点が取れない、他人の前で失敗することが大きなストレスになる
3.自己肯定感の低さに起因する不登校の要因
- 自信のなさ
- 「どうせ自分なんか…」という思考が根づいていると、学校という「評価の場」が苦しくなる
- 褒められる経験が少ない、または失敗体験が多いことで「努力しても無駄」と感じやすい
- 周囲との比較での劣等感
- テストの点、スポーツの成績、友人の数など、あらゆる面で「自分は劣っている」と感じる
- SNSなどを通じて日常的に比較対象が広がりやすい現代ならではの要因でもあります
これらの要素はひとつだけでなく、複合的に絡み合うことがほとんどです。
そのため、表面だけ見て「甘えている」と捉えるのではなく、その子なりの困難さをていねいに理解する姿勢が求められます。
学習や宿題・活動への苦手意識や学校環境の影響
学習や宿題・活動への苦手意識も不登校の原因になります。
「努力が足りないのでは?」
「勉強しないから・・・」
と親としては思いがちかもしれませんが、実は学習しないのではなくしようと思ってもできない状況にある場合があるのです。
1. 学習・宿題・活動に関する要因
1.学習そのものへの苦手意識
読み書きや計算が極端に苦手で授業についていけず、 「自分だけできない」と感じて自信を喪失。
背景には学習障害(LD)や、発達特性による認知のアンバランスさが潜んでいる場合もあります。
このようなお子さんは、宿題を家でしようとしても、自分だけでは難しい場合が多く、「なぜできないの?」と責め続けられ、学校へ行きたくないという状況に陥ります。
2.宿題や課題の量・難易度の負担
放課後に時間をかけても宿題が終わらず、「どうせやっても怒られる」と感じて避けるようになる。
本人は課題をしなければと思ってもできないため、提出できないことでさらに注意される…という悪循環が続き、学校から距離を取るようになります。
3.活動(体育、音楽、発表など)への苦手感
体育や音楽などは、みんなの前でできない自分をさらすことが多いです。
みんなの前で発表することに強いストレスを感じる子が、朝から不安で登校できなくなることもよくあります。
体育での競争や身体的コンプレックスへの意識も、不安の種になりえます。
2. 学校環境による影響
学校環境が子供に合わない場合も、不登校の起因になります。
1.内の騒音や刺激に過敏
例えば、ざわざわした音や照明、教室のにおいに敏感で、教室にいるだけで疲れてしまう。
感覚過敏はASD傾向の子どもに多く、本人の努力ではどうにもならないことが多いです。
2.学年やクラス替えなどによる環境変化
担任の先生が変わった、新しいクラスで友達ができないなど、変化への適応が難しい。
春先に不登校が増えるのもこの要因が関係しています。
3.過度な競争・比較の文化
テストの点数が廊下に貼られる、運動会での勝敗に過度にこだわる、といった「できる子中心」の空気が重圧になるのも子供にとってはストレスです。
他人と比べられること自体がプレッシャーとなり、「学校はつらい場所」と感じやすくなります。
こうした原因は見えにくく、「サボっている」と誤解されがちですが、実際は子どもなりに葛藤や努力を重ねた上での“限界のサイン”であることが多いです。
家庭環境・親子関係・心理的な要素が与える影響
小学生の不登校には、家庭環境や親子関係、心理的要因が密接に関係していることが多いですね。その影響を具体的に見ていきましょう。
家庭環境の影響
家庭環境が不安定だと、子どもは安心感を持てず、学校へ通う意欲が低下することがあります。例えば、
- 経済的不安:経済的な困難がある家庭では、子どもが心理的ストレスを受けやすい。
- 夫婦間の不和:家庭内での対立が子どもに悪影響を与える。
- コミュニケーション不足:家族との会話が少ないと孤立感を覚える。
家庭環境は子供の心のよりどころです。
安心して生活できる家庭環境づくりは重要だと言えます。
2.親子関係の影響
親子関係が子どもの学校生活に直接影響します。例えば、
- 過干渉や過保護:親が子どもの選択肢を狭めると、自立心が育ちにくい。
- 無関心:親が子どもに興味を示さないと、自信喪失や無気力感を引き起こす。
「あなたのためよ」と親が自分の意見を押し付けることが、子供にとって自己肯定感を低くする場合が多いのです。
親は子供を一人の人間として尊重してあげることも重要だと言えます。
3.心理的な要素
子どもの性格や心理状況も重要です。例えば、
- 自己肯定感の低下:否定的な環境に置かれた子どもは学校生活に自信を持てなくなります。
- 不安や恐怖心:学校での失敗体験やいじめが、不登校のきっかけになることも。
4.親ができること
では、親ができることは何でしょう?
それは以下の3つです。
- 子どもの声を聴く:
- 子どもが何を考え、どのような状況で苦しんでいるか、しっかり耳を傾けましょう。
- アドバイスを急がず、共感の姿勢を示すことが大切です。
- ポジティブな家庭環境を作る:
- 親自身がストレスを減らし、穏やかな雰囲気を家庭に作り出す。
- コミュニケーションを増やし、子どもが安心できる「居場所」を提供する。
- 学校や専門機関と協力:
- 学校と連携し、子どもの状況を共有しながら支援策を練る。
- 必要であれば、心理カウンセラーやフリースクールのサポートを受ける。
子どもの不登校は親や家庭だけでなく、周囲全体で支えるべき課題です。
一歩ずつ着実に向き合い、少しでも前向きな変化を見つけることが解決の第一歩になります。
不登校の子供への心理的支援の仕方
不登校の子どもの心理的支援には、子ども一人ひとりの状況に合わせた柔軟なアプローチが大切です。
以下に具体的な方法をご紹介します
傾聴と共感
子どもの気持ちや考えをしっかり受け止めることが最初の一歩です。
- 子どもが話したがるタイミングを尊重する。
- 「それはつらかったね」と共感の言葉を添えることで、安心感を与えます。
安全な居場所の提供
学校に通えない子どもにとって、心の安全な場所が必要です。
- 家庭を安心して過ごせる空間に整える。
- フリースクールや適応指導教室の利用を検討するのも有効です。
心理的専門家との連携
カウンセラーや心理士と相談し、子どもの心理状態を客観的に見つめる機会を持つ。
- 臨床心理士によるカウンセリングを受ける。
- 適切な療法(例:認知行動療法)を活用する。
段階的な学校復帰のサポート
すぐに学校へ戻ることを強要せず、子どものペースに合わせた段階的な計画を立てます。
- 短時間の登校から始め、徐々に慣らす。
- まずは授業以外の活動(クラブや行事)への参加を促してみる。
家族のサポート体制を整える
家庭全体が連携して子どもを支えることが効果的です。
- 親もストレスを抱えすぎないよう、自分自身をケアしましょう。
- 必要に応じて親の会やコミュニティで情報や経験を共有する。
一つひとつの取り組みを小さなステップとして考えることで、子どもも無理なく前に進むことができるはずです。
お子さんのペースに寄り添う姿勢が、長い目で見て大きな効果を生むことがありますね。
不登校支援の成功事例をいくつかご紹介します
不登校を克服している児童は数多くいます。
その中には、家庭だけでなく地域が一体となって支援している成功例も多いのです。
いくつか成功例を紹介します。
地域ぐるみの支援成功例
ある自治体では「地域ぐるみの大作戦」を展開し、地域住民、学校、行政が連携して子どもたちの支援を行っています。
地域ボランティアが学校の外で交流プログラムを実施し、子どもたちが社会とのつながりを持つ機会を提供。
この取り組みにより、徐々に学校に復帰する児童が増加し、支援の成功が証明されました。
メタバースを活用した支援事例
東京都ではバーチャル・ラーニング・プラットフォーム(VLP)という3D仮想空間を導入し、不登校児童・生徒を対象にした心理ケアや学習サポートを展開しています。
特に心理的負担を軽減する効果があり、登校が困難だった子どもたちが安心して学びの場に参加することができるようになりました。
東京都教育委員会の事例
東京都教育委員会では、各地域に応じた不登校生徒への効果的な支援プログラムを策定しています。
例えば、定期的な相談会の開催や個々のニーズに合わせた学習支援を行い、復学率向上を目指しています。
これらの事例から、地域社会や新しい技術が子どもたちの未来を支える鍵となることが分かりますね。
他の地域
石川県加賀市では、地域と連携した「サテライトスクール」とメタバースの活用を進めており、不登校児童が安全に学べる環境を提供しています。
この結果、多くの児童が再び学びに参加できるようになっています。
これらの事例からは、子どもの多様なニーズに合わせた柔軟なアプローチが鍵となっていることがわかりますね。
その他の地域でも、各自治体で様々な支援を展開しています。
家庭と学校や地域とが連携した取り組みが、不登校の克服にとても有効です。
もし、お悩みでしたら地域のサポートについて市町村の教育委員会などに相談することをお勧めします。
不登校小学生の家での過ごし方と日常サポート
不登校の小学生が安心して家庭で過ごせるようにするには、日常生活の整備と心のケアをバランス良く行うことが大切です。
以下に具体例を挙げますね。
家での過ごし方
不登校児童は、ほとんどの時間家で過ごすことになります。
心のエネルギーをしっかりと蓄えさせるためには以下の3つのポイントを抑えることが重要です。
- 生活リズムを整える:
- 毎朝決まった時間に起き、食事や睡眠の時間を一定にすることで心と体の安定につながります。
- 適度な運動を取り入れるとリフレッシュ効果も期待できます。
- 好きなことを楽しむ時間を作る:
- 子どもが興味を持つ活動(読書、絵を描く、ゲームなど)に集中する時間を大切に。
- 新しい趣味に挑戦できる機会を与えると自己肯定感が育まれます。
- 安全な居場所を提供する:
- 家庭が安心して過ごせる場所であることが重要です。リビングや自分の部屋でリラックスできる環境を整えましょう。
日常サポート
日常どんなことに気を付けて子供と接すればよいのか分からないという親御さんも多いでしょう。
日常のサポートについて次の3点を意識してみてください。
- 感情に寄り添う:
- 子どもの気持ちを受け止め、否定せずに話を聴くことが大切です。
- 感情を共有できる場を作ると、子どもは安心感を持ちやすくなります。
- 小さな目標を設定:
- 家での役割を持たせる(お手伝い、植物の世話など)ことで達成感を味わえます。
- 簡単な学習や読書を少しずつ取り入れるのも効果的です。
- 学校や地域とのつながりを模索する:
- フリースクールや地域のプログラムに参加してみると、外の世界と少しずつつながるきっかけになります。
日常の支援において、親や家族が焦らず子どものペースに合わせる姿勢が鍵です。
「無理せず、しかし少しずつ前進」を心がけてみてください。
自宅で元気を保つ過ごし方|親子でできること・必要なこと
不登校の小学生が自宅で元気を保つためには、子どもの個性や状況に応じた方法が必要です。
ここでは、具体的な過ごし方や親子で取り組むべきことをご紹介します。
元気を保つための自宅での過ごし方
- 好きなことを楽しむ時間を設ける:
- ゲーム、絵描き、読書など、子どもが楽しめる活動を積極的に取り入れましょう。
- 自分の趣味に集中することで心がリフレッシュします。
- 自然との触れ合い:
- 家庭菜園や近所の公園での散歩などを通じて、外の空気を感じる時間を作る。
- 太陽を浴びることで元気が湧きます。
- 小さな役割を持たせる:
- 食事の配膳やペットの世話など、簡単な家事を手伝うことで「できること」を実感し、自信につながります。
親子でできること・必要なこと
- 心のケアを優先する:
- 子どもの話をじっくり聴き、どんな気持ちでいるかを受け止める。
- 学校に行くことを強要せず、子どものペースを尊重。
- 楽しい親子の時間を作る:
- 一緒に料理をしたり、ボードゲームをしたりして、心地よい空間を共有しましょう。
- 笑いが溢れる時間は心のエネルギーを充電します。
- 生活リズムを整える:
- 親が見本となり、規則正しい生活を心がけることで子どもに安心感を与えます。
- 特に起床や食事の時間は決まったリズムを維持。
- 外部のサポートを活用する:
- 必要に応じてカウンセリングやフリースクールの利用を検討。
子どもの「心が元気になる時間」を第一に考え、無理なく楽しく過ごせる環境を整えることが大切ですね。
小さな変化から大きな成長につながるかもしれません。
ゲーム・ユーチューブ・習い事|現代っ子の生活と活動
不登校の小学生が家で過ごす場合、ゲームやユーチューブにはまってしまうことが心配という声をよく聞きます。
また、学校に行かないのに習い事だけ行くことにも他の子供たちからの目があり心配だという親御さんも多いです。
このような状況への対応、また習い事の参加に関する周囲の目に対する対策を具体的に見ていきましょう。
ゲームやユーチューブへの過度な依存の対応策
まずは、以下の3点がポイントです。
- ポジティブな使い方を促す:
- ゲームやユーチューブを完全に禁止するのではなく、教育的または創造的な活動を含む使い方を導入。
- 例えば、教育コンテンツを一緒に楽しんだり、ゲームを時間を決めて共有することで安心感を育みます。
- リアルの活動を増やす:
- ゲームやユーチューブ以外での楽しい経験を提供することが依存軽減につながります。
- 家庭菜園や料理、手芸など、自分で成果を感じられる活動を提案することで心に充実感が生まれます。
- 生活リズムの整備:
- 昼夜逆転を防ぐために、毎朝同じ時間に起きる習慣を作りましょう。
- 自然光を浴びる朝散歩など、健康的なスタートが効果的です。
ゲームやユーチューブに依存してしまうことへの対応はなかなか難しいですね。
しかし取り上げたり禁止したりするのではなく、まずは一緒に楽しむことが重要です。
その中で、子供の本音を聞き出すこともできます。
子供が親が自分の気持ちを分かってもらえたと思ったときに、必ずゲームやユーチューブへの依存が薄らぐはずです
まずは、一緒にゲームやユーチューブを楽しんでみましょう。
その上で子どものペースを尊重し、ゲームやユーチューブを効果的に活用しながらリアルな生活での楽しみを増やすことで、心を元気に保つ生活を構築できます。
焦らず少しずつ進めることが重要ですね。
習い事だけ行くことへの対応策
「学校に行かないのに、習い事にだけ行かせるのはいいのだろうか?」というお悩みもよく聞きます。
子供自身が習い事に行きたいのであれば、積極的に進めましょう。
- 子どもの選択を尊重する:
- 習い事に参加する理由を理解し、そこが子どもにとって心の安全地帯であれば、その選択を大切にしましょう。
- 学校以外での社会経験を広げる:
- 習い事だけでなく、地域活動やフリースクールの利用を検討。
- 同年代の子どもたちと適度に交流できる環境を模索しましょう。
- 周囲の目への対応:
- 他の子どもたちとの違いを伝える際、親が前向きな態度で「それぞれのペースで成長していく大切さ」を教える場を作るのも一つの方法です。
習い事に子供自身が行きたいという場合は、とても素晴らしいことです。
お子さん自身が社会としっかりと関われることでもあり、他の子供たちとの交流もお子さんの心を育んでくれます。
生活リズム・エネルギー管理|長期化させない家庭の工夫
不登校のお子さんが生活リズムとエネルギーをしっかり保ちながら前向きに過ごせるようにするためには、親が環境や日々の習慣を整える工夫が大切です。
以下に具体的なアプローチをお伝えしますね。
生活リズムの整え方
生活リズムを整えることは重要です。
昼夜逆転という状況は避けたいですね。
以下の点に注視してお子さんと共通理解をとりながら進めてみましょう。
- 起床と就寝の時間を一定に
- 毎日同じ時間に起き、同じ時間に寝る習慣を作りましょう。
- 朝は太陽光を浴びることで体内時計をリセットし、リズムを整える助けになります。
- 小さな日課を取り入れる
- 例えば、朝ごはんを一緒に準備する、軽い運動をするなど、一日の始まりにシンプルなルーティンを作ることが効果的です。
- 1日の流れを予定に組み込む:
- 学校に行かない日でも、小さな目標や楽しみを一つ設定して、それに向けて過ごすことでメリハリがつきます。
- 例えば「午前中は好きな本を読む」「午後は短い散歩をする」といった具合です。
エネルギー管理の工夫
不登校のお子さんは、エネルギーが枯渇していることが多いのです。
子供のエネルギーをしっかりと高めてあげましょう。
- 好きなことを楽しむ時間を提供
- ゲームや動画視聴だけでなく、絵を描く、音楽を聴く、手芸など、エネルギーを充電できる活動を見つけてみましょう。
- ストレスを減らす環境づくり
- 不要なプレッシャーを取り除き、リラックスできる空間を提供します。
- 特に学校に関する話題を控え、今の自分を大切にできる日々をサポートすることが大切です。
- 学校からの連絡などは、子供が嫌がるようならやめてもらいましょう
長期化を防ぐためのポイント
長期化してほしくない不登校。
長期化を防ぐためのポイントを紹介します。
- 子どもの心に寄り添う
- 「今日は〇〇ができたね」と、小さな成功を一緒に喜びましょう。
- 焦らず、一歩ずつの前進を大切にする姿勢が、子どもの安心感につながります。
- サポートシステムを活用
- 地域のフリースクールや専門的なカウンセリングを視野に入れるのも一つの方法です。
- 子どものペースに合わせながら、少しずつ社会との接点を増やす工夫を取り入れてみてください。
生活リズムとエネルギー管理は、お子さんの心と体を支える基盤となります。
少しずつ進めていき、子どもの笑顔を取り戻す手助けをしてみてください!
自宅学習や勉強の遅れ|学びを止めないためにできる対応
学校へ行かないことで、学習や学びの遅れが気になりますね。
不登校の子どもの学びを継続させるためには、家庭や地域での工夫が重要です。
以下の対応例をご紹介します。
学びを止めないための方法
- オンライン学習の活用:
- アプリや動画授業を通じて、子どもが自分のペースで学べる環境を提供します。
- 様々な学習教材があるので、それらの教材を活用することで基礎から丁寧に学習を進められる。
- 塾や家庭教師との連携:
- 集団が苦手な子には、個別指導型の塾や家庭教師が有効です。
- 学校の進度に合わせたカリキュラムで安心して学べる。
- 学習計画の作成:
- 子どもと一緒に学習スケジュールを立て、無理なく進められる計画を作成します。
- 小さな目標を設定し達成することで、学びのモチベーションを維持。
- 学びと遊びのバランス:
- 勉強に集中する時間とリラックスする時間を作り、心のエネルギーを充電します。
- 手芸や料理など、生活の中で楽しめる「学び」を取り入れる。
学びを止めないためには、子どものペースに寄り添いながら柔軟に対応することが大切です。
不登校小学生への支援と対応方法【専門家からの解説】
小学校の不登校について、専門家に支援や対応方法を聞いてみたことをまとめてみました。
ぜひ参考になさってください。
1. 親子でのコミュニケーションや信頼関係の築き方
- 積極的な傾聴: 子どもの話を最後まで聴き、意見を否定せず受け止めます。「それは大変だったね」といった共感の言葉を添えると安心感が生まれます。
- 日常会話を増やす: 楽しかったことや小さな気づきを話題にし、一緒に笑う時間を作ると、距離が自然と縮まります。
- ポジティブなフィードバック: 子どもの努力や小さな成功を認め、褒めることで自己肯定感が育まれます。
2. 学校・担任・スクールカウンセラーへの連絡・相談方法
①事前準備
相談内容を具体的に整理しておくと効果的です。
たとえば、「最近の家庭での様子」や「気になる行動」についてメモを用意しましょう。
②スクールカウンセラーとの対話
心理的サポートが必要な場合は、スクールカウンセラーを利用して、子どもの状況を一緒に分析し具体策を探ります。
③定期的な連絡
学校とスムーズなコミュニケーションを保つため、定期的に現状報告を行うことも大切です。
3. 外部支援の活用方法|無料カウンセリングや教育支援センター
①教育支援センター
地域にある教育支援センター(適応指導教室)では、子どもに合った学びや活動の場を提供しています。
②無料カウンセリング
民間の支援団体が行う無料カウンセリングを活用し、家庭以外の安心できる場所を見つけるのも選択肢の一つです。
4. フリースクールやオンライン学習など新しい選択肢
①フリースクール
子どもが自分のペースで学ぶことができ、社会的なつながりを築く機会を提供します。
地域によって特色のあるスクールが多いので、見学や相談をおすすめします。
②オンライン学習
家庭で取り組みやすい学習方法として注目されています。
5. 苦手分野・特性に合わせた個別対応とアドバイス
①特性を理解する
子どもの興味や得意分野を観察し、それを伸ばす支援を行います。
②個別対応
苦手な分野については、ステップを細かく分け、小さな成功体験を積み重ねることで克服を目指します。
③専門家との連携
特性に応じて、療育や専門教育機関の支援を活用することで、無理のない学びをサポートします。
上記の対応を通じて、子どもが自信を取り戻し、家庭・学校での安心感を持つことができるようになりますよ!
まとめ|今後のために親子でできること
不登校の小学生が抱える問題の背景には家庭環境や心理的な要因、学校や社会からのプレッシャーなど、複雑な要素が絡んでいることについて解説してきました。
今できる対処法としては、以下のような従来の枠を超えた支援策が挙げられます
- 親子の信頼関係の構築
- 生活リズムの見直し
- 学校や専門機関との連携
- フリースクールやオンライン学習など
どの方法も、子どもが自身のペースで前向きな一歩を踏み出し、未来への可能性を広げるための大切なサポートとなるでしょう。
不登校は誰にでも起こる問題です。
「うちの子がなぜ?」と思われるかもしれませんが、今はまずお子さんに寄り添い、一緒に成長していくことが最も近い解決への道だと言えるでしょう。
今回紹介した内容をもとに、より実践的な解決策を見つけていってください。