小学生の不登校が最近増えています。
不登校の子供の心理って親には理解することが難しいですね。
「本当は、怠けているだけでは?」「親として子育てに失敗したのでは?」「親にばかり心配かけて子供自身はどう思っているのだろう・・・」などなど。
今回は、そんな小学生の不登校の子供の親に言えない心理、心の奥で思っていることなどを解説していきます。
子供の本当の心理を理解できれば、親の対応が明確になり子供が前向きに進むことが可能になるでしょう。
最後まで読んで、ぜひ参考になさってください。
小学生の不登校が増加する背景と現状を解説
小学生の不登校は年々増加傾向にあります。
その背景にはいったどんなことが要因となっているのでしょう。
この項目では、小学生の不登校が増加する背景と現状について解説していきます。
令和時代における不登校小学生の実態と増加の要因
不登校の増加は、コロナ禍の前と後では決定的に後のほうが増加傾向にあります。
そのため、小学生の不登校は深刻な教育課題の一つとなっているのが現状です。
小学生の不登校の実態
- 不登校児童数の増加傾向:
- 令和4年度における小学校の不登校児童数は105,112人に上り、過去最多を更新しています。
- 特に学年が上がるにつれて増加し、小学6年生でピークに達する傾向が見られます。
- 不登校の要因:
- 小学生の不登校の要因は、「無気力・不安」(50.9%) が最も多い理由として挙げられています。
- その他、「生活リズムの乱れ」、「親子関係の問題」、「友人関係の問題」などが要因に含まれます。
- 不登校の定義:
- 文部科学省では「年間30日以上欠席し、その理由が病気や経済的なもの以外」という条件で統計上は「不登校」と定義されます。
隠れ不登校
欠席日数が年間30日に満たないけれど、不登校傾向にある子供たちも実際には数多く存在します。
いわゆる「教室外登校(別室登校)」や「部分登校」をしている子供たちを隠れ不登校とも呼ばれています。
「隠れ不登校」の子供たちは、文部科学省の定義には当てはまらないため、不登校にはカウントされません。
<隠れ不登校の子供の例>
- 仮面登校:内心では学校に行きたくないと思いながら登校している。教室で同級生を過ごす場合と、同級生とは違う行動をしがちな場合がある。
- 部分登校:気温は教室で過ごすが、授業を受ける時間が少ない。遅刻や早退が多い。給食時だけ登校する給食登校も含まれる。
- 教室外登校(別室登校):学校には行くが、教室にはいかない。保健室や図書室、空き教室などで過ごす。
- 一定日数の欠席:欠席日数が29日以下であるが、一定数学校には行っていない。
このような隠れ不登校の子供たちも増加傾向にあると推測されています。
隠れ不登校も含めると、学校生活へなかなか対応しにくい子供たちが数多くいることが分かりますね。
増加の要因
不登校はなぜ増加傾向にあるのでしょう。
その要因として考えられるのは、社会的な背景・価値観の変化・心理的な負担などです。
- 社会的背景:
- 少子化の影響で児童生徒数が減少している一方で、不登校児童数が比例して増加傾向にあります。
- フリースクールや教育支援センターなど、学校以外の選択肢の増加により、学校生活以外の方法で教育を受けることができるようになっていることも影響を与えているとも言えます。
- 価値観の変化:
- 「偏差値の高い学校へ行くこと=成功」という従来の価値観が揺らぎ、個々の選択を尊重する流れが広まっています。
- 心理的負担:
- 学校での集団生活に関する心理的負担や、それに関連する不安感が増加要因のひとつとされています。
国や地域の具体的な施策例
文部科学省では、不登校対策として「COCOLOプラン」を導入し、誰一人取り残されない学びの保障を目指しています。
その政策の中では、地域ごとの相談窓口やフリースクールの拡充を推進しています。
どんな子が?学年別の不登校傾向
不登校は誰にでも起こりうることです。
それほど、子供を取り巻く環境が著しい変化をとげています。
親は自分の子供のころの経験をもとに子供と接しようとすることが多いでしょう。
しかし、現代の子供たちの問題は親が育ったころの状況とは大きく異なっているのです。
低学年(1〜2年生)の傾向
低学年の傾向として挙げられるのは、母子分離不安型、身体症状訴え型(頭痛・腹痛など)です。
特徴としては以下のようなものがあります。
学校という新しい環境への適応が難しい
母親と離れることへの強い不安(分離不安)
「行きたくない」とは言わず、体調不良を訴えることが多い
低学年の不登校の大きな要因として考えられるのは「保育園・幼稚園とのギャップ」「家庭での安心感が強く、外の世界に不安を感じやすい」などです。
低学年の不登校は、入学してしばらくたってから起きる場合が多いです。
幼稚園や保育園とのギャップという環境の変化が子供の心に与えるストレスになっている場合が多いようです。
中には、保育園や幼稚園の頃の友達と別れ、新しい人間関係を作らなければいけない場合もあります。
小学校という環境に慣れることは子供にとって大きな壁といえるでしょう。
中学年(3〜4年生)の傾向
中学年の主なタイプとして挙げられるのは「自己肯定感低下型」「友人関係ストレス型」です。
このころの子供たちは、第二次性徴が始まる時期であり、「学力差や運動能力の差が顕著になる」「劣等感を抱きやすい」「友人関係のトラブル(仲間外れ、からかいなど)が増える」ことなどが特徴です。
そのため、「自分はできない」と感じる経験が増えたり、友人とのかかわりから「SNSやゲームなどの影響で生活リズムが乱れやすい」という背景が加わります。
一方、中学年は学校にも慣れなぜ不登校になるのか分からないという親や教師が多いです。
しかし、このころの子供は実は10歳の壁といわれるように、心の中での成長が非常に大きな時期といえます。
10歳の壁は、子供が自分を俯瞰してみることができるようになる時期です。
それまでは、なんとなく自分と友達との関係を肌で感じていたとしても、それほど大きな問題としてとらえてはいなかった時期から、自分と友達との能力の差に気づき始め、劣等感を持ちやすくなります。
できない自分に腹立たしくなることも多いでしょう。
また、学習面でも具体から抽象の考え方に移る時期になります。
例えば算数でも、低学年の場合は100までの数など生活の中で体験できる数を扱いますが、中学年になると1億、概数、四捨五入など生活の中で実際には体験しにくい数や操作に接するようになります。
このような抽象的な概念をイメージしにくくなる時期であり、学習内容が難しく思える時期にもなります。
友人関係でも、スポーツ少年団や他の活動に接することも多く、その中で能力や容姿でからかいや仲間はずれが多くなる時期にもなります。
このような複雑な背景が、中学年の不登校の原因にもなると言えます。
高学年(5〜6年生)の傾向
高学年になると無気力や抑うつ型、自己否定型、HSP傾向型などさらに深刻な傾向になる場合が多いです。
また、「思春期の入り口で心が不安定になりやすい」「学校に行く意味がわからないと感じる」「自分の存在意義や将来への不安を抱える」などの特徴があげられます。
その背景として挙げられるのが、「進学や受験へのプレッシャー」「教師や親との関係性の変化」「自己理解が進む一方で、他者との比較に苦しむ」などです。
高学年になると、体の成長も著しくなり心も体も大人に近づいてきます。
思春期の入り口に入る子供が多く、自分自身の進路や生き方にも漠然と不安を抱く子供が多くなります
また、中学受験をする子供たちも最近では増え始め、受験に対するストレスを感じる子供も多くなります。
さらに、反抗期が激しい子供もいます。
子供の中には、親だけでなく教師への反発を感じる子供もいます。
これらの要因が、学校へ行きたくないという不登校の原因になると考えられます。
さらに、うつ状態になる場合もあるので、十分に子供の様子を見ていく必要がある時期といえるでしょう。
発達障害やSNSなど現代の社会状況から生じる影響は?
最近では、発達障害やSNSなど現代社会状況から生じる影響も大きいとの声もあります。
発達障害との関連:
発達障害を持つ子供は、不登校になりやすい傾向があることが指摘されています。
例えば、環境の変化への対応が難しい場合や、学校での適切なサポートが不足している場合に、不登校に繋がることがあります。
一部の家庭では、学校以外の教育方法や環境を選択し、子供の個々の特性に合わせた育成を重視するケースも増加しています。
SNSなどネット文化の影響
子供たちがインターネットやSNSを通じて情報を得る機会が増え、自分の将来像としてユーチューバーやコンテンツクリエイターを志望するケースがあります。
特に学校での学びが、自分の目指す道と結びつかない場合、不登校の原因になることも考えられます。
その他の影響として考えられる要因
その他、子供を取り巻く状況が不登校の要因として考えられる要因には以下のようなものがあげられます。
社会的プレッシャー:
現代社会では多様な価値観が広がっている一方で、子供たちは依然として学業や進路選択に対するプレッシャーを感じる場合が多いです。
このプレッシャーが不安やストレスを引き起こし、不登校に繋がるケースがあります。
親子関係の変化:
親が仕事や家庭生活に忙殺され、子供と向き合う時間が減少することで、精神的な孤立感を感じる子供が増えています。
この孤立感は不登校の一因となることがあります。
教育システムとの不一致:
従来の学校の枠組みが子供のニーズに完全に応えられない場合、家庭で教育の選択肢を模索する傾向が増えています。
例えば、フリースクールやオンライン学習が注目されています。
小学生不登校の心理にせまる
小学生不登校の子供の本当の気持ちや心理を理解できないと、子供にどう対応すればよいか分からないですよね。
「子供の気持ちが分からない」「子供にどう接したらよいか分からない」という方は、まずは子供の気持ちや心理について一緒に考えてみましょう。
不登校小学生の気持ちと本人の心理状態
まず、最も重要なことは子供が「学校へ本当は行きたい」または「学校へ行かなければならない」と心の奥底で思っていることです
このことを決して忘れてはいけません。
「学校へ行きたくないって言っているじゃない」と思うかもしれませんが、実はそう言いわざるを得ない辛い状況であるということです。
「みんなと一緒に学習したり、仲良く遊んだりしたい」と本人自身が一番思っているでしょう。
それができないという自分自身も本当は嫌になっているのだと思います。
その上で親に「学校に行きたくない」と言えるのは、すごく勇気のあることであり、今まで言えなかったけど、もう無理なので言わざるを得なかったという状況だと考えてください。
ですから、もしあなたのお子さんが「学校へ行きたくない」といった場合は「辛かったね」「ママに(パパに)言ってくれてありがとう」と言ってあげましょう。
親が陥りやすい間違い
親は子供が学校へ行きたくないといわれたら、親としては「なぜ」「どうして」など原因を探りたくなりますよね。
そして、不登校の理由を子供に問いただすようになりがちです。
子供の中には親の期待に応えようと、うそをつく子供もいます。
例えば、勉強が分からないことが本当の理由なのに、友達からいじめを受けていることを理由にしたり、先生との関係で辛い状況なのに、給食が嫌だと理由をつけたり・・・。
中には、本当の理由がよく分からないけど「なぜ」「どうして」など親から攻められるので、その都度理由が異なるという場合もあります。
また、保護者の中には周りの人からのアドバイスで、「お祓い」や「祈祷」などにはまる方もいます。
私が以前担当したお子さんの保護者の中にも、何人もの方が「お祓い」などにはまり高額のお金を支払っていたという例もあります。
第三者からみると滑稽なことかもしれませんが、不登校の親御さんにとっては藁をもすがる気持ちで、宗教的なことにはまることもありがちです。
しかし、これらのことは不登校の状況を良くすることにはなりません。
まずは、子供の辛い気持ちを受け止めてあげることが重要です。
不登校の子供に親が言ってはいけない5つの言葉
不登校の子供に以下の3つの言葉は、言ってはいけません。
- 子供を否定する言葉
- 子供を非難する言葉
- 親の感情をぶつける言葉
- 子供を脅す言葉
- 侮辱・冷笑する言葉
それぞれの言葉について、詳しく解説しましょう。
子供を否定する言葉
子供を否定する言葉とは以下のような言葉です。
あなたなんて生まなければよかった
学校へ行けないなんてダメな子ね
ほんとに、あなたの顔なんて見たくない
このままじゃ、立派な大人になれない
なんで学校へ行けないの?そんなあなたは生きてる資格なんてない
これらの言葉は、子供の人格を否定し、存在そのものを打ち消してしまいます。
子供の存在を否定する言葉は、子供の自己肯定感を低くし、子供自身が「自分はダメな人間だ」「ママにとっては、ぼくなんていないほうがいい」など自分の存在をダメだと思ってしまい、生きる希望をなくす場合もあります。
子供を非難する言葉
親が言いがちな言葉に、子供を非難する言葉です。
例えば以下のような言葉行っていませんか?
学校へ行かないなんて、嫌なことから逃げているだけ
甘えているよね
学校へ行けない子供たちは、学校へ行かなければと思っているけど行くことができないのが本音です。
その状況や行動を非難する言葉は、子供の心を深く傷つけます。
親の感情をぶつける言葉
親の感情を子供にぶつけてしまうことも結構多いですよね。
例えば以下のような言葉です。
お母さんもつらいのよ
あなたのせいで、家族がみんな嫌な思いをしているでしょ。
子供を脅す言葉
学校へ行ってもらたいという気持ちから、子供を脅す言葉を言ってしまう場合もあります。
例えば以下のような言葉です。
学校へ行かないと、ニートになって一生だいなしになる。
このままだと、ろくな人間にならない
侮辱・冷笑する言葉
侮辱や冷笑する言葉は、子供の人格や存在を否定する言葉です。
例えば以下のような言葉です。
恥ずかしい
いつまでゲームばかりしているの
不登校の子供に親がしてはいけない5つの行動
不登校の子供に絶対にしてはいけない5つの行動について解説します。
1. 強制的に登校させようとする
登校渋りが始まったころにやりがちなのが、子供を無理やり学校へ連れて行こうとする行動です。
中には、泣き叫ぶ子供の手を引っ張っていく保護者もいます。
担任の先生から「学校へ来てしまうと、なにごともなく友達とも遊んでいるので大丈夫です。無理やりにでも連れてきてください。」と言われる場合もあるでしょう。
しかし、このような強制的に登校させようとする行動は、かえって子供はプレッシャーやストレスを感じ、逆効果になることが多いです。
が精神的な負担となり、ますます不登校を長引かせたり、子供の自尊心を傷つけたりします。
「さあ、今日は絶対に行かなきゃダメだ!」などと叱咤激励したり、無理に引っ張ったりする行動は避けましょう。
子供にとって登校は自己決定の一部であり、自尊心を保つことが重要です。
2. 子供を責めたり批判したりする
不登校が長引くと、どうしても子供を責めたり批判したりしがちです。
親としては、何とか学校へ行ってほしいという願望が、「責める・批判する」という行動にでてしまいがちですよね。
しかし、責めたり批判したりすると、子供は自己否定感を抱き、心の傷を深める可能性があります。
これがますます引きこもりを深刻化させることがあります。
「なんで行かないんだ!」や「あなたは意志が弱い」など、子供の気持ちや事情を理解しようとせず、非難する言葉は避けましょう。
3. 子供の気持ちや不安を否定する
「そんなことで悩むことない」「大したことじゃない」「誰でもそんな気持ちになるけど頑張っているんだよ」など、子供の感情を否定することもよくありません。
子供は心の奥底で「学校へ行かなければいけない。本当は行きたい」と思っているのにいけないのです。
その不安で、つらい気持ちを不定してしまうと、子供は自分の本当の気持ちを表現できなくなり、「ママやパパに言ってもわかってもらえない」という孤立感や自己否定に繋がります。
子供の心に寄り添い、「不安なんだね」「つらい気持ちなんだね」と共感的に理解しようとする態度が大切です。
4. 学校や教師を責める
子供の不登校の原因にはさまざまな背景がありますが、公の場所で学校や教師を責めることは逆効果です。
子供も守るべき場所や教師を敵視することになります。
「学校のせいだ」「先生が嫌いだから行きたくない」などと話すことは避け、子供の気持ちに寄り添い、理解を示すことに努めましょう。
5. 無理に話させようとする
子供は親に本音をどうしても言えない傾向にあります。
その原因の多くは、「親に心配かけたくない」「そんな自分が恥ずかしい」という思いが強いからでしょう。
例えば「友達から無視されている・友達ができない」「勉強が分からない」などの理由があっても、そんなことを親に言えば心配したり、責められるのではないかという気持ちが強いのです。
また、子供自身がなぜ学校へ行きたくないのかよく分からない場合もあります。
子供が話したくない時に無理に話させようとすると、子供はさらに閉ざしてしまうでしょう。
信頼関係が損なわれる恐れもあります。
「何かあったら話してね」と言うだけで十分です。
子供のペースに合わせて、安心して話せる環境を作ってあげましょう。
子供の気持ちに寄り添い、無理強いせず、理解と共感を持ちながら支援していくことが、最も大切なポイントです。
小学生の不登校の回復・復帰への段階と現実的な選択肢
不登校からなるべく早く回復し、学校へ復帰してほしいと思うのは、保護者の切実な願望でしょう。
回復については、概ね以下の4つの段階を通ると考えることができます。
不登校の回復や復帰は人それぞれに異なります。
個人差があるので、4つの段階を順に追って進む子供もいれば、行きつ戻りつする子供もいます。
期間やペースも子供によってそれぞれです。
各段階ごとの対応について解説していきます。
1. 予兆期・発現期:現状把握と受容の段階
まず子どもが今どのような状態にあるのかを正確に理解することが第一歩です。
本人の気持ちや状態を受け入れ、焦らずに見守る姿勢が重要です。
この段階では、学校に行かない理由や本人の希望・不安を丁寧に聴き取りましょう。
具体的な支援としては以下のことがあげられます。
- 心理カウンセラーや教育相談員に相談
- 家族や教師とのコミュニケーションを深める
- 無理に登校を強要しない
2. 停滞期:安全基地の確立
停滞期に入ると、家で過ごすことが多くなります。
子どもに安心できる環境を整え、自信や自己肯定感を少しずつ回復させる段階です。
学校や家庭以外にも、居場所や好きな活動を通じて安心感を育むことが大切です。
具体的な支援のポイント
- 家庭内での安定した生活リズム
- 趣味や特技を活かした居場所づくり
- 友達や支援者との交流の促進
3. 回復期①:少人数や段階的な学校復帰の準備
少しずつ前向きな言動が現れるようになると、子供から「学校へ行ってみようかな」などの言葉も出てきます。
徐々に学校の環境に慣れるための準備段階です。
完全復帰ではなく、徐々に学校やクラスの雰囲気に慣れていきます。
具体的な支援のポイント
- 週に数日の登校から始める
- 学校の一部活動やイベントから参加
- 友達や教師と個別に交流する機会を作る
4.回復期②: 小さな成功体験の積み重ね
学校へ少しずつ行くことができるようになると、小さな成功体験を重ねることで、自信や意欲を取り戻します。
成功体験が自己肯定感を高め、復帰の道のりを支えます。
具体的な支援のポイント
- 宿題や課題の達成感を味わわせる
- 小さな目標設定と達成を褒める
- 活動や学習を個別対応や調整して進める
5. 本格的な学校復帰
子どもが一定の安心感と自信を持ち、学校生活に積極的に参加できる段階です。
教育復帰の具体的な計画を練り始めます。
具体的な支援のポイント
- フルタイムの登校へ移行
- 担任やスクールカウンセラーと連携しながら支援を継続
- 必要に応じて学習支援やカリキュラム調整
6. 自立と継続的な支援
学校復帰後も継続的なサポートを行い、子どもが自立し、安定した学校生活を送れるよう支援することが重要です。
この段階では、本人の意向や特性に合わせて柔軟な対応が求められます。
具体的な支援のポイント
- 定期的なフォローアップ
- 他者との交流や自己表現の機会を提供
- 必要に応じて心理的・学習的サポートを継続
不登校の回復や復帰は段階を追って進めることが大切です。
無理のないペースで進め、子ども本人の気持ちを尊重しながら支援を行うことが、長期的な自立と安定につながります。
専門機関等の活用
不登校児童生徒の急増から、文部科学省では学校と専門機関との連携や、多様な学びの場、居場所の確保に努めています。
また、保護者への支援にも重点を置いています。
学びの多様化学校(不登校特例校)
文部科学省は、「不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整えます」という施策をもとに、専門機関の充実を図っています。
特に不登校特例校の設置にも力を入れています。
早期に全ての都道府県・政令指定都市に、将来的には希望する児童生徒が居住地によらず通えるよう、分教室型も含め全国300校を目指します。このため、設置事例や支援内容等について全国に示すとともに、都道府県が域内の設置状況を踏まえ積極的な役割を果たすことを明確にします。
人事交流等を通して、NPOやフリースクール等との連携を強化するとともに、他の学校の児童生徒へのオンラインを活用した相談支援、他の学校への助言やノウハウの普及を行います。
「不登校特例校」の名称について、関係者に意見を募り、より子供たちの目線に立った相応しいものとします。
学びの多様化学校(不登校特例校)は令和6年(2024年)時点で、東京都・大阪府など16都道府県に35校(公立21校、私立14校)存在しています。
その他、各地方自治体でも2026年4月から開校されるところがあります。
児童生徒のニーズに応じた専門機関の充実が進められているので、ぜひ参考になさってください。
フリースクール・教育支援センターなど支援機関の種類と活用法
学校以外の選択肢は様々あります。
そこへの通学や学習の鳥海が在籍校での出席として認められる場合もあります。
実際のフリースクールや支援機関について紹介します。
教育支援センター(適応指導教室)
教師く支援センターは、教育委員会などが運営している公的機関です。
個別カウンセリングや集団での活動、教科指導などが行われています。
公的支援機関なので利用するのに費用はかかりません。
また、要件を満たせば在籍校での出席ともなります。
フリースクール(自由学園)
フリースクールは、NPO法人や民間企業などが運営する教育機関です。
不登校の子供たちの居場所や学びの場を提供するほか、個別指導なども行っています。
また、フリースクールは在籍校に籍を置いたまま利用する機関ですから、在籍校の出席になる場合があります。
授業内容や教育方針・費用などは、運営する機関によって様々です。
居場所としての機能を重視するスクールもあれば、学校への復学に力を入れているスクール、専門知識やスキルを習得できるスクールもあります。
オルタナティブスクール
一般的な学校のような画一的な教育ではなく、子供一人一人の多様性や自主性を尊重し、社会で生き抜く力を身に着けさせることを目的としたフリースクールです。
不登校支援を目的とする従来のフリースクールに対し「もう一つの学校」という意味で「オルタナティブスクール」と自称しているスクールが数多くあります。
柔軟性のあるカリキュラムが設定されているのが特徴です。
例えば、芸術や文化的な活動に特化したカリキュラムを組んでいるスクールや、特定の科目を集中して学べる環境を持つスクールなどがあります。
この学校も在籍校の出席扱いが可能です。
在籍校の出席扱いとなるための要件
教育支援センター、フリースクール、オルタナティブスクールなどの通学を在籍校の出席扱いとしてもらうためには以下のような要件があります。
ICTを活用したオンライン学習など
民間の企業が提供するタブレット教材やeーラーニングなどを自宅で利用するという選択肢もあります。
こうしたICTを活用したオンライン学習などは、自分のペースで自分の習熟度にあった内容を無理なく学習できるという特徴があります。
対話型のコンテンツをはじめ、ゲーム形式の教材などもあり、子供たちが興味を持って学べる教材も提供されています。
ICTを活用した学習の中には、小中学校では出席として認められる場合があります。
中でも学習教材天神小学生版 は文科省が定める「不登校を出席扱いにする制度」の条件を満たしています。
家にいて学習ができて、さらに出席扱いにしてもらえるのは学習教材天神の大きなメリットです。
ぜひ参考になさってください。
まとめ|小学生不登校を理解し回復への一歩を
小学生の不登校は、親だけが見えにくい心の葛藤や不安が背景にあります。
しかし、子供の本音は「学校へ行きたい」なので、この本音を十分に理解してください。
子どもが抱えるストレスや自己肯定感の低下を理解し、寄り添うことが回復への第一歩です。
「あわてず、あせらず、あきらめず」子どもの気持ちを丁寧に受け止めることで、少しずつ信頼関係を築き、前向きな気持ちを取り戻していってください。
親子共に理解しあい、小さな一歩を積み重ねていくことが、再び学校や社会とのつながりを取り戻す大切な道です。